2020年、宮城県柴田町で勤務先の会社経営者の男性を死亡させバッグなどを奪った罪に問われている男の控訴審で、仙台高裁は懲役23年とした一審の実刑判決を破棄し、仙台地裁に審理を差し戻しました。
大河原町の元建設作業員でパキスタン人のレフマン・アブダル被告(41)は2020年7月、柴田町の住宅で同僚と共謀し当時勤めていた会社の社長でインド人のシン・ラカウェンダラさん(当時45歳)の首を絞めて死亡させ、バッグなどを奪った罪に問われています。
一審の仙台地裁は「報酬欲しさに犯行に関与した動機は身勝手」などとして、懲役23年の実刑判決を言い渡していました。
仙台高裁で開かれた控訴審で、レフマン被告が通訳を介して警察の取り調べを受けた際に、犯行時の状況の説明がレフマン被告の言葉通りに訳されていないと指摘しました。
渡邉英敬裁判長は「取り調べの際に得られた自白内容が存在するとは言えない」とし「一審で事実誤認があるのは明らか」と述べ、懲役23年の判決を破棄し、仙台地裁に審理を差し戻しました。