関東を中心に危険な暑さとなり、熱中症による搬送も相次ぎました。そんななか拡大する新型コロナウイルスの感染。熱中症だと思ったらコロナ陽性、そんなケースが急増しています。

■夏祭り中 救急搬送相次ぐ

 危険な暑さを物語る現場に居合わせます。暑さのためでしょうか、フラフラしてつまづき、男性が倒れてしまいました。

 “暑さの町”である埼玉県熊谷市。夏祭りが行われている町は救急搬送が相次ぎます。

 22日は1年で最も暑いころとされる「大暑」。熱中症警戒アラートは今年最多となる39都府県に発表されています。

■「ボトルで50本」祭りで熱中症対策

 江戸時代から続く「熊谷うちわ祭」。3日連続猛暑日となり、うちわではしのげない暑さ。様々な対策が講じられています。

 水分補給できるように山車(だし)と一緒に荷台も移動させていて、スポーツドリンクや塩分タブレット、さらに体を冷やせるような冷却パックなども乗せられています。各所に“お休みどころ”を今年から設置しました。

祭り参加者 「きのうも2リットルのボトルを(皆で)50本以上、飲んでいる、100リットル」

 ただ、その想定を上回る暑さに搬送も相次ぎます。

■炭火でホルモン 店内は47℃

 対策を立てられない場所も。熊谷市内にあるホルモン店、冷房は使っていません。午後5時すぎの店内は47℃です。

客 「暑い時には熱いものを食べないと」

水よし支店 今村誠オーナー 「炭火使うから一酸化炭素が充満する。エアコンは入れないというか入れられない」

 換気のため冷房を入れられない店内。店長も時折、店を出て一息つきます。

水よし支店 今村誠オーナー 「たまに抜かなきゃ無理だよ。12時間あんなところいられない」

 なんとも原始的な熱中症対策で暑い夏を乗り切ります。凍ったおしぼりです。

水よし支店 今村誠オーナー 「ご飯をいっぱい食べて水分を取る。あとは気合と根性」

■発熱患者 2人に1人がコロナ陽性

 夏の訪れとともに急増するコロナ患者。待合室は患者でいっぱいです。“第11波”の今回、“ある特徴”がありました。

東京ビジネスクリニック 内藤祥院長 「若い世代の活動度の高い陽性者が非常に多い」

 診察を待つ患者で混み合うクリニックの待合室には若い人の姿もあります。

東京ビジネスクリニック 内藤祥院長 「特に7月に入ってからは発熱の患者がかなり増えている。20代から50代くらいの社会的な活動度が高い人が中心」

 現在、新型コロナ患者報告数は10週連続で増加しています。感染者が増加していることから、厚生労働省は対応策などを話し合うヒアリングを始めました。

■熱中症×コロナ どう見分ける?

 危険な暑さが続くなかで今、想定外の事態が起きています。

50代女性 「頭が痛いのと、息が苦しい」

 熱中症を疑って病院を訪れた女性。しかし、その診察結果は…。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長 「検査したところ、新型コロナの検査が陽性でした」

 熱中症と新型コロナウイルスを同時に発症していました。

 熱中症と新型コロナはどう見分けるのでしょうか。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長 「熱中症の症状の比較的、早い段階で起こりやすいのは、大量の発汗やこむら返り。こういった症状はどちらかというと熱中症の特異的な症状。激しいせき込み、焼け付くような強い喉の痛みの症状は、熱中症では説明がつかない。暑さ環境もないとなればコロナの可能性が高い」