連日、厳しい暑さが続いていますが、海水温の上昇によって台風の脅威も大きくなっています。大型で強い台風3号は勢力を増しながら先島諸島に接近しています。

■観光シーズン かき入れ時に…

沖縄・石垣島では、観光ハイシーズンが“まさにこれから”という時期でした。

店主 「(Q.なぜここに防風ネットを)ガラスとか割れるので。傘とかいろいろ物が飛んできて一発で割れるので。もう営業休みます。23日から夜からひどくなりそうなので」

台風3号は23日午後10時現在、沖縄の南にあって、勢力を増しながら24日にも先島諸島に接近する見込みです。

石垣島に到着したばかりの観光客からは、早くも帰りを心配する声が…。

東京から来た人 「残念ではありますが。ある意味で思い出には残るかなぁと。(Q.海に行く予定は)元々はあったんですが中止に。まず帰れるかどうかも(心配)」

石垣空港と宮古空港は24日、終日閉鎖されることが決まりました。

普段はカヤックやサップも楽しめるホテルのビーチ周辺では台風の備えが行われていて、パラソルは全て撤去されました。

大阪から来た人 「実は2回目なんです石垣島。前回来た時は到着15分前にUターンになって。地震があったでしょ台湾地震。悩んだんですよ。台風だし、どうしようか。でも最初の2日は天気いいだろうなと思って」

■マンゴー農家も悲鳴「祈るしかない」

ときわマンゴー農園では、熟して自然に落下するのを待って収穫しているため、横から風に吹かれると完熟前に落ちてしまうといいます。

ときわマンゴー農園 吉濱亮治さん(44) 「(Q.このネットは何用)風用ですね。メッシュになっているので。若干風を通した方が逆にハウスも守られる。完全に(風を)防御するとハウスの方が危ないので」

そもそも、想定を上回る暑さで5分の1が贈答用にとしての出荷ができなくなりました。台風によるさらなる被害だけは避けたいのが本音です。

ときわマンゴー農園 吉濱亮治さん 「祈るしかない。自然の状態なので、しょうがないよねとなるしかない」

■“灼熱列島”全国約9割で真夏日

一方、本州では連日猛暑が続いています。真夏日は全国の約9割にあたる791地点、猛暑日も257地点となりました。北海道帯広市では平年と比べて7度以上高い、32.7度を記録するなど、23日は初めて北海道にも熱中症警戒アラートが発表されました。

兵庫県養父市では76歳の男性が死亡。熱中症とみられるということです。全国では23日、少なくとも793人が熱中症の疑いで搬送されました。

東京の暑さを上回ったのが東北でした。福島県浪江町では38.5度の2日連続の猛暑日となりました。

女性 「もう負けそうです。自転車もパンクしちゃうし。なんか暑いと自転車パンクすると聞いてました」

プールに入っても…。

男の子 「プールの中もぬるくなってきて。少しいやになってきたところです」

■東北の海に“海洋熱波”漁業に打撃

暑いのは陸地だけではありません。海水温が極端に高くなる『海洋熱波』が東北の海を襲っています。宮城県・気仙沼市では、海洋熱波がホタテの養殖歴30年以上の漁師を悩ませていました。

ホタテ養殖漁師 畠山政則さん(69) 「これ全部死んだ貝です。カスタネットみたいに口が開いている状態」

今年は8割ものホタテが死滅しているといいます。

ホタテ養殖漁師 畠山政則さん 「今年ほどひどいというのはこれまでなかった」

ホタテは23度以下の冷たい水温を好むといわれています。ただ、気仙沼のここ数年の夏場の海水温は23度を上回っています。漁協によると、県内のホタテの漁獲高はここ数年、減少の一途をたどっています。

畠山さんは、今年から海水温の影響を受けにくいという、カキの養殖業への転換を決断しました。

ホタテ養殖漁師 畠山政則さん 「ホタテはこれ以上、養殖が難しいだろうということで。最近ホタテのいかだを撤去して、カキいかだにした。いっぺんにホタテをなくすのは、なかなか踏ん切りがつかない。カキ一本になりつつある」

夕方、風が強くなってきた石垣島では…。

防災無線 「防災、石垣です。18時15分、暴風警報発令に伴い、高齢者等の避難指示を発表しております」

県内では、他にも与那国町・竹富町・多良間村に警戒レベル3の『高齢者等避難』が出されています。