京都市内は1日も38℃を超える猛暑となりました。暑い夏を乗り越えるため、先人たちが培ってきた「知恵」が受け継がれていました。

■舞妓 猛暑のなか「あいさつ回り」

 8月に入り、危険な暑さは“ヤマ場”を迎えています。

スイスから来た観光客 「すごく暑い。もう温泉」

 1日、京都市の最高気温は38℃を超えました。

イギリスから来た観光客 「すごく暑い」 「(Q.シャツすごいですね?)こうなるのは分かっていた。これだけ暑いから。着るシャツの色を間違えたね」

 京都市は向こう1週間、猛暑日が続く見込みです。京都の花街では、芸妓(げいこ)や舞妓(まいこ)が師匠らに感謝の気持ちを込めてあいさつ回りをする伝統行事「八朔」がありました。

 さすがにこの暑さ…。差し入れは飲み物です。

 年間の猛暑日日数は東京の約4倍。そんな全国的に見ても圧倒的に暑い京都市では、歴史を越えて暑い夏を乗り切る“知恵と技”が受け継がれています。

 町の中心部に今も残る京都の伝統的な建物「京町家」。

らくたび 山村純也代表 「昭和7(1932)年の建築になります」

 かつて、呉服問屋を営む商人が住んでいた大塀造りの京町家です。現在は一部にエアコンが設置され、京都旅行などを企画する会社のオフィスとして活用されていますが、部屋のたたずまいは当時のまま…。

■京都 猛暑乗り切る“知恵と技”    京町家に「涼」を呼び込む1番のポイントは“衣替え“です。京町家では、毎年6月1日に建具を冬から夏へ替える「しつらえ替え」を行います。

らくたび 山村純也代表 「京都は夏が暑い。そして冬は寒いということなんですけど、どっちかというと夏の暑さの方が耐え難いので、夏に涼しく過ごすことに特化してしつらえを組んでいる」

 「網代畳」や「籐むしろ」という職人技が光る敷物も床の感触から涼を作り出します。

 さらに「庭」にもこんな秘密が…。

らくたび 山村純也代表 「庭を2つ有しているのが非常に珍しい」

 大座敷に面する「茶庭」と「前栽(せんざい)」この“2つの庭“がポイントです。

 日課の一つ、出社後に「打ち水」をする際は…。

らくたび 山村純也代表 「1つの庭に打ち水をすることで反対側(の庭)から風が流れ込んでくる」

 片方の庭に撒いた水が蒸発することで気圧が変化。庭が2つあることで、そこに空気の流れが生まれ室内に「そよ風」が吹くのです。

■暑さ対策 神髄は「見た目」にあり

 京町家で働く山村さんは、京都の暑さ対策の神髄はその“見た目“にあると話します。

らくたび 山村純也代表 「この庭でしたら、あえて揺れやすい葉を使っていたり、(庭木の)低さもできるだけ低く風が当たりやすいようにしていたり、見た目の涼しさはすごく大事で涼しく感覚的に過ごせるのが非常にありがたい。見た目の涼しさを身近に演出できるような工夫をすると良い」