ロシアとドイツをつなぐ天然ガスのパイプライン「ノルドストリーム」の破壊計画について、ゼレンスキー大統領が当初、承認していたとアメリカの一部のメディアが報じました。

 14日付のウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、破壊計画は2022年5月に考案され、ウクライナ軍最高司令官のザルジニー氏が関与したということです。

 ゼレンスキー大統領は破壊計画を口頭レベルで承認しましたが、オランダ軍の諜報(ちょうほう)機関がこの計画を察知し、アメリカのCIA(中央情報局)に伝えました。

 アメリカはドイツに連絡するとともに、ゼレンスキー大統領に計画を実行に移す作戦を止めるよう警告しました。

 そして、ゼレンスキー大統領はザルジニー氏に作戦中止を命じますが、ザルジニー氏はこれに従わなかったということです。

 2022年9月に作戦が実行され、ノルドストリームが破壊されるとゼレンスキー大統領はザルジニー氏を非難しました。

 これに対し、ザルジニー氏は「破壊工作チームは派遣すると連絡が取れなくなり、接触すれば作戦を危険にさらす可能性があり、中止させることができない」と述べたということです。

 ザルジニー氏はウォール・ストリート・ジャーナルに対して作戦への関与を否定しています。