地震のグループ補助金をめぐって口利きを行い報酬を受け取った罪に問われている元宮城県議・仁田和廣被告の初公判が開かれ、被告は「私利私欲ではなく復興のため働いた正当な政治活動だった」として起訴内容を否認しました。

 仁田被告は、2021年から22年にかけ、福島県沖地震で被災した企業を支援する補助金が交付されるよう水産加工会社の元社長の依頼で県職員に働きかけ、見返りに現金50万円を受け取った罪に問われています。

 水産加工会社の元社長は、大型冷蔵庫を購入する目的で実際より被害を大きく見せかけて補助金を申請しましたが、申請額通り受給できないと分かり仁田被告に相談したとされています。

 仙台地裁で開かれた初公判で仁田被告は、裁判長から起訴内容について問われると「すべて否認をいたします」と述べました。

 弁護側は「私利私欲ではなく復興のために行った正当な政治活動だった。見返りではなく政治献金として現金を受け取った」として無罪を主張しました。

 一方検察側は「仁田被告は元社長に対し『県職員に働きかけをした』と伝えた上で、『経費かかるから頼むね』などと見返りを求めていたと指摘しました。

 閉廷後裁判所を出た仁田被告は、報道陣からの問いかけに対し無言のまま立ち去りました。

 次回の裁判は9月29日で、県職員の証人尋問が予定されています。