米不足が落ち着いても、すぐに次の米不足が起こる懸念が。新米需要の高まりで現場から悲鳴が上がっています。

■需要高まり「本当の悲鳴に…」

 悲鳴を視覚化したものが紙の束です。新米予約が殺到し、先月末からすでに4000件近い注文数になっているといいます。

こまがた農園 駒形宏伸さん 「数日間でこの状態。うれしい悲鳴だが、本当の悲鳴に変わりそう。仕事が追い付かなくなって」

 新潟県南魚沼市の米農家。収穫から精米、販売まで、すべての作業を自分で行っています。

こまがた農園 駒形宏伸さん 「(Q.ここが空っぽ?)そうです。これしかない。もみすりして貯蔵庫に持ってきて、持ってくる間に精米して出さないと間に合わない」

 加熱する需要に合わせて、一連の作業は例年よりおよそ1カ月前倒したといいます。

こまがた農園 駒形宏伸さん 「早くても9月末ぐらいから出荷開始というのが通常だった。『お米がない』と言われてるので、なるべく早く届けたいなと」

 まさに、目の回るような忙しさ。

こまがた農園 駒形宏伸さん 「早く収まってほしい。ここまで急激な振れ幅があると、こちらも対応するのが大変」

 しかし、懸念はそれだけではありません。

こまがた農園 駒形宏伸さん 「最初にこんなに出ると、後半、ものがなくなりそうで怖い。こんなペースで来られたら、すぐお米なくなっちゃいますし」

■新米“前倒し” 次のコメ不足懸念

 現在の悲鳴が来年の悲鳴になりはしないか…。北海道では、それをはっきりと口にする人がいます。

やまちゃん農産 山本克幸さん 「(収量)去年よりは少し多いが、心配ないとは言えない」

 やはり、消費者に直接販売している米農家です。

やまちゃん農産 山本克幸さん 「米騒動で米がないということで、急きょ稲刈りを中断して精米して5キロ詰め800袋をすでに出した」

 毎月の出荷量は例年300袋前後。それが、この半月で3倍近い800袋を出荷しているといいます。その分、来年も足りなくなるという懸念です。

やまちゃん農産 山本克幸さん 「それ(需要)がどこまで続くのか。それによっては来年の7月、8月には、またお米がなくなって、うちの在庫もゼロになって、どこかから買うという状況になるかと…」