自民党の総裁選挙はこの後、すべての候補者による共同記者会見が行われます。論戦が本格化するなか、すでに決選投票をにらんだ駆け引きが始まっています。

 (政治部・小池直子記者報告)  知名度が大きく影響する地方票では、石破氏と小泉氏が優勢とみられていますが、各陣営、政策の違いで巻き返しを図りたい考えです。

 ある閣僚経験者は「政策をよく見定めたいが、衆議院選挙を考えると、政策だけでは選べない」と話すなど、国民受けのいい候補が優位になるとみられています。

 国会議員票では、各候補に20人の推薦人がいることから、すでに半数の票の行方は固まっていて、決選投票になることは間違いないとみられます。

 ある候補は、支援を断られた際、「決選投票になったらよろしく頼む」とお願いするなど、先を見据えた協力を呼び掛けています。

 かつての決選投票では、2位と3位が協力し、1位の候補を逆転するなど派閥単位で票が動いていました。

 今回も、1回目では支持が分かれても「決選投票では、まとまろう」とする動きはあります。

 ただ、以前のような派閥の縛りがないなかで、結束して動けるかも鍵となります。

 ベテラン議員からは「進次郎が失速しない限り最有力の候補だ」との声が上がる一方で、急速な世代交代を牽制(けんせい)し、安定感を求める声もあります。

 多くの議員は、世論の動向をぎりぎりまで見極めることになります。