大分県別府市で起きた死亡ひき逃げ事件で重要指名手配されている八田與一容疑者(28)について、警察庁は、報奨金の受付期間の延長を決めました。

八田容疑者は、軽自動車で2台のバイクを突き飛ばしたあと逃走したひき逃げの疑いがかけられています。

八田容疑者の車は時速80キロ以上。ブレーキもかけていなかったとみられています。

2台のバイクのうち、原付バイクに乗っていた大学生のAさん(当時19)が亡くなりました。

八田容疑者は、史上初めて、道路交通法違反で重要指名手配に指定されます。ひき逃げというだけでなく、“意図的にバイクを突き飛ばした”可能性があるからです。

もう1台のバイクに乗っていたBさんは、事件直前、Aさんは八田容疑者に言いがかりをつけられていたといいます。

Bさん 「(Aさんに)『知り合い?』って聞いたら、『いや、全然、知らない』『え?』みたいな。『なんでそんな話しよったん?』と聞いたら、(Aさんは)『音楽を爆音で流してて、なんやこいつって思って見たら、ケンカふっかけられた変な奴に。俺は普通にすぐ謝ったけど、めんどくせえし』と」

事件が起きたのは、そのわずか3分後のことです。

事件発生からの2年間で、7000件近い情報提供が全国から寄せられましたが、逮捕にはつながっていません。

大分県警は、上京してビラ配りをしたり、新たな動画を公開したりして、情報提供の呼びかけを強化しています。遺族や友人らも八田容疑者の動画や写真を膨大に集め、公開する活動をずっと続けています。

来年10月まで延長された報奨金の受付。800万円のうち、500万は遺族ら有志の会が出しているものです。

遺族のコメント 「八田與一が警察庁指定の重要指名手配となり、1年が経ちました。重要指名手配になれば、全国の交番や駅などにポスターが貼られ、すぐに捕まるはず。そう期待しながら、毎日、八田逮捕の知らせを待っていました。しかし、その願いも虚しく、また一つの区切りを終えてしまったことが残念でなりません。前に進みたくても進めない。進んだとしても茨の道。それでも進まないと終わらない長く険しい道のり。どうか一日でも早い逮捕をお願いします」