最高裁が国の責任を認めた旧優生保護法を巡る裁判で、原告らがこども家庭庁を訪れ、国と和解に向けた合意を行いました。

原告団代表 飯塚淳子さん(仮名) 「私が求め続けてきた事がやっと実現しました。しかし私の、私たちの気持ちは晴れません。心を傷つけられた体と狂わされた人生は戻ってきません」

 合意書に署名した原告団の飯塚淳子さん(仮名)は、これまでの苦難の道のりを振り返り、複雑な気持ちを明かしました。

 和解合意書は最高裁での違憲判決を踏まえ、係属中の裁判の原告に対して優生手術を受けた本人に最大1500万円、配偶者については200万円の慰謝料が支払われるとしています。

 さらに今後、障害者などへの偏見や差別の根絶に向けた恒久的な対策などを盛り込んだ「基本合意書」を改めて取りまとめることも示されました。

 調印式で加藤こども政策担当大臣は「皆さまが長年、心と体に受けた苦痛と多くの苦難に謝罪申し上げます」と被害者に対して謝罪の言葉を述べました。

 今回の合意に基づいて今後、各地の裁判所でも和解が決定する見通しです。