宮城県の秋の味覚はらこめしがシーズンを迎えていますが、サケの不漁と米の価格高騰で販売店が苦境に立たされています。

 サケの煮汁で炊いたご飯の上に、サケの切り身とイクラをふんだんに盛り付けた宮城県の郷土料理はらこめしの味を求めて、亘理町の和風レストラン田園には、県内外から多くの人が訪れています。

 客「おいしいです。はらこめしならここですね」「前年は駐車場いっぱいで入れなかったんですよ。ちょっと早めに来てやっと食べられました。見た目も華やかだし、味もちょうど良くておいしいです」

 こちらでは8月末からはらこめしの販売を始め、多い日で1日500食から600食提供していますが、全国的に続くサケの不漁が影響を及ぼしています。

 和風レストラン田園菅野武貴社長「以前だと12月半ば、後半くらいまでやれていたんですけど、水揚げが無いので、2年前くらいから11月いっぱいまででやらせてもらってます」

 宮城県のサケの漁獲量はここ数年で著しく減少しました。震災後、最も多かった2013年度は6514トンでしたが、2023年度は13トンにとどまっています。

 こちらの店では値上げをせずに価格を据え置きましたが、300円ほど値上げせざるを得なくなりました。

 サケの不漁に加え米不足による米の価格高騰で、2025年以降更なる値上げの可能性を懸念しています。

 和風レストラン田園菅野武貴社長「新米からかなり(価格が)上がってくる予想ですね。今シーズンはこの値段でやっていくしかないので、お米の値段がそのままないしはまた値段が上がるとなれば、はらこめし自体の値段も上げざるを得なくなってくるっていうのが現状ですね」

 サケの不漁の原因について、水産資源に詳しい東北大学大学院の片山知史教授は、海水温の上昇のほかにレジームシフトと呼ばれる自然現象が大きく影響していると指摘しています。

 レジームシフトは、気象の変化などにより数十年の周期で海の生き物の資源量が増えたり減ったりを繰り返す現象のことで、2015年ごろからサケの資源量が少ない時期に入っているということです。

 資源量は今後10年ほどかけて徐々に戻っていくと予想しています。