仙台市の作並温泉を代表する老舗、岩松旅館が全国でホテルや旅館を手がける大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツと業務提携を結びました。低迷する業績の立て直しを図りたい考えです。

 業務提携は9月11日付で、岩松旅館は大江戸温泉のノウハウや全国的な知名度を生かすほか、将来の大規模な改修の資金調達でも協力する意向です。岩松旅館は、旅館の屋号や従業員の雇用は維持するとしています。

 東京商工リサーチによりますと、岩松旅館の純損益は2022年度まで8年連続の赤字で2023年度は黒字になったものの、本業のもうけを示す営業損益は赤字と経営の立て直しが課題になっていました。

 背景には作並温泉全体の苦戦があります。入り込み客数は減少傾向にあり、2022年は約10万人とコロナ前の半分以下に落ち込みました。

 提携先の大江戸温泉は、秋保温泉の老舗旅館を改修して高級温泉リゾートを開業した実績があり、今後は資本提携も含めて検討が進む見通しです。