衆院選の争点や構図、宮城県の注目の選挙区などについて、選挙班キャップの小笠原記者に聞きます。
今回の選挙の争点は何になりますか?
(小笠原記者)最も大きな争点とみられるのは「裏金問題」に象徴される「政治とカネ」の問題です。
自民党は、関わっていた議員について、一部を非公認としたり比例代表との重複立候補を認めなかったりといった対応を取りましたが、野党側は、今回の解散自体が「裏金問題を隠すためのものだ」として厳しく批判しています。
自民党にとっては、この「政治とカネ」の問題への対応について有権者に納得してもらえるかが大きなカギとなります。
他には、私たちの生活と直接関わる「物価高への対策」や「年金などの社会保障問題」なども争点になるとみられます。
今回の選挙では「1票の格差」を是正するため、全国で区割りの変更が行われました。宮城県内の選挙戦には、どのような影響を与えますか?
(小笠原記者)前回の選挙では宮城県内に6つあった選挙区が、5つになりました。大きく変わったのが、仙台より北の4区と5区です。
例えば4区では、前回まで別の選挙区だった自民党の伊藤信太郎さんと立憲民主党の安住淳さんが同じ選挙区で戦います。
それぞれ、大臣を務めたことのあるベテラン議員の激突だけに注目の選挙区となります。
4区では、維新の会の佐藤雄一さんとれいわの大林正英さんも立候補を予定しています。
4区以外の状況はどうですか?
(小笠原記者)仙台市を選挙区とする1区と2区は毎回激戦となっていて、今回も激しい戦いが予想されます。
前回1区では、自民党の土井亨さんが立憲民主党の岡本章子さんに5000票あまり、2区では立憲民主党の鎌田さゆりさんが自民党の秋葉賢也さんにわずか571票差で競り勝ちました。
仙台市は特定の支持政党を持たない「無党派層」が多いのが特徴で、「無党派層」をどう取り込めるかが、勝敗の行方を決めることになります。
1区と2区には、与党でも野党でもない第3極を目指す維新の会の高橋浩司さんと早坂敦さんも立候補を予定しています。
投票率については、いかがですか?
(小笠原記者)こちらが県内の小選挙区の投票率の推移です。
1990年の選挙では75%を超え4人のうち3人は投票に行っていましたが、その後減少傾向が続いています。
当時の民主党が政権交代した2009年の選挙で一旦上がりましたが、そこからまた下がり、前回はおよそ55%と2人に1人ほどしか投票していません。
選挙結果は私たちの生活に大きな影響を与えるものですから「自分が投票しても何も変わらない」などとは考えずに投票所に足を運んで頂きたいと思います。