宮城県と福島県を結ぶ阿武隈急行について、宮城県丸森町は鉄路維持のため1000万円を目標にふるさと納税を使ったクラウドファンディングを始めました。
阿武隈急行は、人口減少や地震などの被害により一部区間の運休が長引いたことで利用客が減少し、累積赤字が2023年度末時点で14億円を超えるなど、厳しい経営環境が続いています。
丸森町企画財務課長門修課長「クラウドファンディングなどを通じて阿武隈急行の現状を皆さんに知っていただいた上で、乗っていただくと同時にその支援もいただきたいとスタートした」
丸森町は阿武隈急行を支援するため、目標金額を1000万円としてふるさと納税を使ったクラウドファンディングを15日から開始しました。使い道を明確にすることで、共感を得た人から寄付を募りやすくする仕組みです。
集まった資金は線路の整備や車両の更新のほか、通学定期券の一部を補助するなど利用を促進する事業に活用するとしています。
BRTへの置き換えも議論される中、宮城県と沿線の角田市、柴田町、丸森町の3自治体は宮城県側の鉄路維持で合意していて、町は人口の集積を図る意味でも鉄路は重要だと話します。
丸森町企画財務課長門修課長「鉄道の駅については居住地を選択する1つの大きな要因にもなるという考えもございますので、鉄道を守りたいと。宮城県を含め全国からご支援をいただければありがたいということでございます」
ふるさと納税を活用したクラウドファンディングは丸森町としては初の取り組みで、1月12日まで行われます。
利用客が減っているという阿武隈急行ですが、1995年の約325万人をピークに利用客は減少しましたが、東日本大震災が発生した2011年度を除いて250万人前後の利用客がありました。
それが2019年の台風19号、更に2020年からは新型コロナのために大きく減り、2022年度は福島県沖地震などの影響で約129万人と過去最少となりました。
2023年度はそこから60万人ほど増えて約190万人にまで回復しましたが、自然災害やコロナの影響が出る前、2018年度の水準には戻っていません。
累積赤字も14億円を超すなど厳しい経営状況が続いていて、丸森町はクラウドファンディングで集まった寄付金で利用客を増やす取り組みを進めたい考えです。