27日に投開票される衆議院選挙、宮城1区の候補者の訴えや争点に対する考え方です。

 宮城1区に立候補しているのは届け出順に立憲民主党の前職、岡本章子候補(60)、維新の会の新人、高橋浩司候補(61)、自民党の前職、土井亨候補(66)の3人です。仙台市中心部を抱える宮城1区は無党派層が多く、その時々の風が選挙戦を左右します。

 宮城1区は今回、仙台市太白区の秋保地区が編入され仙台市の青葉区と太白区の全域となりました。

 岡本章子候補「政権交代こそ最大の政治改革です。地域が輝く国へ、そして子どもや若者にチャンスがある未来を示すこと。これこそ政治の役割だと思っています」
 立憲民主党の岡本候補は前回、自民党の土井候補に5000票余りの差まで迫りましたが及ばず、比例復活しました。

 岡本候補は自民党の逆風を追い風にしようと、政治とカネの問題などを追及します。
 岡本章子候補「自民党裏金特権と決別をしましょう。金権体質の政治をやめましょう」
 立憲民主党は宮城1区を落とせない選挙区と位置づけ、公示前には野田代表も駆け付けました。
 野田佳彦代表「宮城1区は岡本さん、今度は小選挙区で勝ってほしい。今度こそ、小選挙区で勝ってほしいと思っています」
 NTT労組出身の岡本候補は連合宮城の支援を受け、実質的には共産党などとも共闘し支持拡大を目指します。

 高橋浩司候補「皆様に一番お訴えをしたいことは、やはり政治とカネの問題であります。この政治を古い政治を抜本的に変えていかない限りこの国を守っていくことはできない」
 維新の会の高橋候補は、神奈川県の鎌倉市議会議員を7期28年務め、1年前に仙台市に移り住みました。強固な後援会を持たず財界や組織の支援も受けていないため、こまめに街頭演説を積み重ねて知名度アップを図ります。

 高橋さんが最も訴えていることの1つが、弱い人たちが安心して暮らせる社会の実現です。
 高橋浩司候補「必ず高齢者の方も障害者の方も安心して暮らしていける世の中になっていきます。ですからみなさん日本維新の会、期待をお寄せいただきたいんです」
 自民党でも立憲民主党でもない第三の選択肢として、有権者の受け皿になりたいと考えています。

 土井亨候補「自民党の国会議員として、この政治資金の問題、関わらなかった、関わりはなかったと逃げるつもりはありません。私は、政治資金を集めるようなパーティーは今後、一切やりません」
 自民党の土井候補は街頭演説で、政治とカネについての謝罪を盛り込み政治の信頼回復を任せてほしいと訴えています。

 石破茂総裁「本当に地道に現場主義。この宮城から、仙台から、新しい日本をつくる、そういう思いでがんばって参りました。どうぞ土井亨さんに圧倒的なご支援を賜りますよう、心よりお願いを申し上げます」
 自民党は宮城1区を重点区と位置づけ、公示日には石破総裁も選挙区入りし支持を訴えました。
 宮城県議会議員時代から親しい村井宮城県知事も応援に駆け付け、マイクを握りました。
 土井亨候補「私は地味な人間です。パフォーマンスや耳障りのいいことも言えません。しっかりと自分の目指した道をこつこつ歩きながら、結果を出していく」

 今回の衆院選で様々な課題が争点となっていますが、その1つは年金など社会保障の問題です。
 有権者「私も年金で食っているので所得が増えるのは考えられないけど、ある程度抑えられればいいかなと思います。物価が高いので、それを何とか抑えてほしい」
 「年金をもらえるとほぼ思っていない。上の世代の人も言っているんですけど、自分の世代の人もないだろって。あきらめている感じ」

 少子高齢化の中で年金制度の維持が難しくなっていて、制度の破綻も懸念されています。
年金を含む社会保障をどうしていこうと考えているのか候補者に聞きました。

 岡本候補は、まずは困窮している年金受給者への直接支援が必要と訴えます。
 岡本章子候補「年金に関しては、不安がある、物価高に負けている状況、この物価スライド制を見直さないといけないですし、今いまでいくと給付金措置など物価高対策の年金受給者への安定的な安心を提供しないといけないと思っている」

 高橋候補は、全ての国民に一律の金額を支給するベーシックインカムの導入を提案します。
 高橋浩司候補「総合的に一体改革をしていかないといけないと。その先にあるのがベーシックインカムなんですね。1人1人に10万円くらいを毎月税金から戻して、セーフティーとしてやっていただく」

 土井候補は、これからの時代に合うよう社会保障制度を作り直したいと話します。
 土井亨候補「年金や社会保障というのは、60年前の色々な制度が多くあります。それは今の時代、将来の時代になかなかマッチしない。私はしっかりと将来に安心できる社会保障制度を見直して、作り直していきたい」