宮城県石巻市では、漁協が高級食材ナマコの養殖に取り組んでいます。3年後の水揚げに向けて、18日に稚ナマコの放流が行われました。

 ナマコの養殖は、県漁協石巻市東部支所の漁業研究会が県の技術的なサポートを受けて、2018年から取り組んでいます。

 ナマコは産卵のタイミングの見極めが難しく、採卵に成功して放流に至るのは3年ぶりです。

 鹿立漁港では、6月に採卵して1センチほどに成長したナマコ約3000匹が放流されました。

 県漁協石巻市東部支所漁業研究会古内均会長「放流自体が3年ぶりなんですけど、何とか放流までいけたので安心はしています」

 放流されたナマコは3年ほどかけて育ち、水揚げされる見通しです。

 県漁協石巻市東部支所漁業研究会古内均会長「資源を増やすためにやっているので、目に見えて水揚げに貢献できればなと思ってます」

 11月に解禁となるナマコ漁ですが、中国の禁輸措置による価格の低迷が課題となっています。

 県漁協によりますと、前シーズンの取引価格は福島第一原発の処理水放出前と比べ半値程度となっています。

 中国は9月にサンプリングなどの科学的証拠に基づいて、段階的に日本産水産物の輸入を再開すると声明を出しましたが、現段階では今シーズンも価格の低迷が予想されるということです。