真珠の養殖に使われるアコヤガイが、2024年に宮城県沖で初めて確認されました。海水温の上昇が影響しているとみられ、宮城県の海で養殖できるか研究が進められます。

 宮城県水産技術総合センター養殖生産チーム武川淳司上席主任研究員「宮城県の沿岸で採取されましたアコヤガイです。牡鹿半島を中心に、南三陸だったり気仙沼からも見つかっています」

 アコヤガイは体長約10センチの二枚貝で、国内では真珠の養殖に使用されています。 海水温が12℃を下回ると死滅してしまうことから、太平洋側の生息地は千葉県が北限とされてきましたが、2024年10月に石巻沖で養殖カキに付着したアコヤガイを漁業者が初めて発見しました。

 その後も報告が相次ぎ、県沿岸でこれまでに80個ほどが確認されました。大きさから、少なくとも一度は宮城の海で冬を越したとみられています。

 宮城県水産技術総合センター養殖生産チーム武川淳司上席主任研究員「驚きですね。最初の個体が見つかった時には本当にびっくりしました。アコヤガイがすめる海になってきたのかなとは思っています」

 宮城県沖ではここ数年海水温の上昇などにより、養殖のカキやホヤなどが死滅する被害が出ていて、2024年6月に村井知事が新たな産業として真珠養殖に挑戦する方針を示しています。

 水産技術総合センターでは発見されたアコヤガイを飼育していて、今後水温への耐性などを調べ宮城県の海で養殖できるか研究します。

 宮城県水産技術総合センター養殖生産チーム武川淳司上席主任研究員「今まで普通に取れていた魚が取れなくなったり、養殖が難しくなったりしている中、次の選択肢は何かを明示して提示してあげられるようにはしていきたいなとは思っていますけれども。何とか養殖につなげられれば良いかなと思います」