この冬、シラスが不漁で大ピンチ。一方、“ある高級魚”が取れているのです。

■シラス丼“危機” 一体なぜ

 生でよし、ゆでてよしと様々な食材との相性がいいシラス。そのシラスにある異変が起きています。

 駿河湾の代表する海の幸のシラス。今月15日に禁漁期間に入ったシラス漁ですが、実はある異変が起きていたのです。

シラス漁師 「今までやったなかで(今年は)一番、量が取れなかった」

 ここ数年、深刻な不漁が続いている静岡県内のシラス漁。今シーズンの漁獲量は12月末時点で2050トン。10年前の4分の1以下に減っていて、20年ぶりに過去最低を下回る見通しです。

南駿河湾漁業協同組合 松井功課長 「シラスが少ないと死活問題」

 駿河湾のシラス漁が不漁となっている要因の一つが発生から7年以上続いている「黒潮大蛇行」。

静岡県水産・海洋技術研究所 資源海洋科 岡田裕史上席研究員 「大蛇行でも駿河湾内に潮が流れ込んでくる状況であれば豊漁に。駿河湾内に潮が流れ込んでこない状況になっていたことで不漁になったと考えている」

■日本海の“高級魚”がなぜ?

 一方、あの高級魚は豊漁です。皮をあぶって刺し身に。塩焼にしても。煮付けも大人気のノドグロです。

 宮城県では水揚げ量が10年前の30倍に急増。一体なぜなのでしょうか。

 専門家は…。

東北大学大学院 片山知史教授 「海水温が高くなったのに伴って(ノドグロの)分布域が日本海側からこちら(宮城県沖)まで広がった」

 新たな食べ方を試作している水産加工会社も。小ぶりのノドグロを使った「お茶漬け」です。

山徳平塚水産 平塚隆一郎社長 「大きいものは鮮魚出荷される。小さいノドグロが取れてしまうので、付加価値を付けようかと」

 気になる、その味は…。

山徳平塚水産 平塚隆一郎社長 「食感は良いですね。上品な味というか高級な味がします」

 専門家によりますと、ノドグロの豊漁は今後しばらく続くということです。