日産とホンダの経営統合撤回が正式決定しました。日産は、今期は4期ぶりに800億円の赤字の見通しとなり、自力での経営再建策を発表しました。
■別々の場所で…破談経緯を説明
ホンダ 三部敏宏社長(63) 「経営統合に至らなかった点でいうと、大変残念に思っております」
日産 内田誠社長(58) 「日産の我々のポテンシャルを最大化できるのかという点に関しては、どうしても最後まで我々としてそれでいこうという決心ができなかった」
経営統合を目指して、合同で開いた会見から1カ月半。13日は別々の場所で、破談になった経緯を説明しました。
三部社長 「かなり実現のためのコストがかかると。今スピード感が重要な時期で言うと、かなりその部分で危機感を感じた」
■「会社作ることに労力割けない」ホンダ社長
競争が激化している電気自動車(EV)や自動運転の市場で、中国やアメリカの自動車メーカーに対抗するため、協議が進められてきた経営統合。
ホンダと日産は世界の自動車販売台数で7位と8位に位置しています。統合が実現すれば、販売台数700万台を超える世界3位のグループが誕生するはずでした。
三部社長 「新しい会社の体制・形態があまりにも複雑すぎて、そんなことやってる間にどんどん時代が進んでいってしまいますし、先行している色んなEVを含めた自動車会社ありますので。そこのスピード感を考えてもですね、会社を作ることに労力を割いている場合ではないだろうという」
来年、共同で持ち株会社を設立し、傘下に両社が入る予定でしたが、ホンダは「時間と労力がかかるうえ、判断が遅れる」として方針を転換しました。
組織の統制を取りやすくするため、日産をホンダの傘下に置く「子会社化」を提案しました。これに対して、日産は…。
内田社長 「経営統合のなかでホールディング会社(持ち株会社)を置いてやっていくことが、強い会社になれるという思いが強かったものですから。そういう点に関しては、今回のご提案では我々の力を最大化することは難しいじゃないかという気持ちが強くあった」
■日産社長、自らの進退に言及
今期の業績について、800億円の赤字の見通しを発表した日産。経営再建策として、タイなど3工場の閉鎖や60人以上いる役員を2割削減することを明らかにし、会見では内田社長が自らの進退についても言及しました。
内田社長 「現在の混乱を収束させることが、喫緊の役割と認識しています。果たすべき務めに一日も早くめどをつけて、可及的速やかに後任にバトンタッチしたい」
日産の今後について、専門家は…。
自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子氏 「電気自動車でやっていく迷いを感じますよね。社内の車作りの方向性も見えてこない。抜本的に体制を変えることをやらないとだめだと思う」
(「グッド!モーニング」2025年2月14日放送分より)