スルメイカの高騰が止まりません。価格はなんとマグロと匹敵するほどに…。海で一体、何が起きているのでしょうか。

■“マグロ並み”高騰で悲鳴

 サックサクの衣をまとった天ぷらをそばに乗せて温かいおつゆをかける「イカ天そば」。出汁が染み込んだイカ天が食欲をそそる店の人気商品ですが、去年、20円の値上げに踏み切りました。

つぼみ家 鈴木章一郎代表 「安い、うまい、早いの立ち食いそば店。20円上げるのは苦渋の決断」

 その要因となったのは「スルメイカの不漁」です。

鈴木章一郎代表 「半年くらい前からスルメイカが全然とれなくなってきたと聞いている。その辺から顕著に(価格が)上がっている。当店はスルメイカ使っていないが、イカ全体で漁獲量が減っていて当店にも影響がきている」

 記録的不漁が続くスルメイカ。その影響でスルメイカ以外のイカを扱う店にも値上げの余波が。

鈴木章一郎代表 「このまま不漁が続けばさらに値上げとか、終売も視野に入れている」

 今や入手困難なスルメイカ。都内の鮮魚店では…。

中與商店 武蔵小山店 前里芳樹店長 「スルメイカはいつもここにあるが、全く入荷がない状況」

 生のスルメイカは入荷できず、店では冷凍の刺身のみを販売。

前里芳樹店長 「とれている時期だとスルメイカ一杯200円で販売していたが、(今は)800円~1000円くらいで販売することになる。マグロの柵とかの値段で買えてしまう」

■“消えたスルメイカ”なぜ?

 水産庁によると、海水温の上昇により卵からかえったスルメイカが成長できていないことが不漁の要因だとみられています。

 こうしたなか、水産庁は前年の漁獲枠から76%減らしスルメイカの資源を守る方針を決めました。

 しかし、漁獲枠が減ってしまうことで加工品のスルメもピンチです。

丸安商店 千葉勝さん 「これは5枚で1500円。(安い時は)10枚で1000円が相場」

 このままでは主力商品のスルメが販売できなくなる可能性もあります。

千葉勝さん 「通年来てくれるお客さんのために1年分は用意しているが、絶対量がないんで売り切れ次第(終了)。イカは主力なので珍味に関して。まるっきりなくなると大変」