ロシアによるウクライナ侵攻から3年、「辞任する用意はある」と発言したゼレンスキー大統領。トランプ大統領が“仲介”することをウクライナ国民はどう感じているのでしょうか。
■ロシアの侵攻から3年
ウクライナの首都キーウは22日から23日にかけても“過去最大”のドローン攻撃を受けています。
24日で侵攻開始から丸3年です。2022年2月24日に…。
ロシア プーチン大統領 「特別軍事作戦を実行することを決定した」
ロシアのプーチン大統領が「特別軍事作戦」と称する侵略戦争の実施を決定。ウクライナに対して本格的な軍事侵攻を始めました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領 「我々は我が国を守ることもロシアのことも恐れていない」
プーチン大統領は当初、数日で首都キーウなど主要都市を制圧する目論見だったとみられています。ただ、欧米の支援を受けたウクライナ軍は3年にわたって抵抗を続けています。
そして、事態はトランプ政権の誕生によって大きく動き出そうとしています。本格的な停戦仲介に乗り出したのです。ただ…。
アメリカ トランプ大統領 「ウクライナが交渉から外されていると憤慨しているらしい。戦争を始めるべきじゃなかったんだ」
ウクライナが戦争を始めたかのような認識を示し、侵略した側であるロシアとの協議を優先させています。
アメリカ トランプ大統領 「プーチンとの協議は順調だが、ウクライナとはそうではない。手持ちの札もないのに強気だ」
また、アメリカがウクライナを支援してきたことを強く批判しています。
アメリカ トランプ大統領 「アメリカは3500億ドルも支援した。愚かで無能な大統領(バイデン氏)のせいだ。だから(ウクライナから)レアアースや石油などの見返りを求めている」
■ゼレンスキー氏「辞任する用意ある」
頭越しに交渉を進めるトランプ大統領に対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は…。
ウクライナ ゼレンスキー大統領 「停戦で合意しても1年後にまた戦争が始まったら、勝利だと言えるだろうか。ロシアは準備を整えて新たな侵攻を仕掛けてくるだろう」
ロシアに占領されている領土を取り戻す見通しが立たないなか、譲れない一線は2度とロシアから攻撃されないという保障です。
ウクライナ ゼレンスキー大統領 「平和が実現されるなら辞任する用意はある。NATO(北大西洋条約機構)への加盟と引き換えだ」
トランプ大統領はゼレンスキー大統領のことを「独裁者」呼ばわりしていますが…。
ウクライナ ゼレンスキー大統領 「戦時体制が終われば選挙が行われ、国民は自らの選択をする。何十年も権力を握るつもりはない」
■ボグダン氏 米仲介に“期待ない”
停戦交渉にウクライナ国民は…。
キーウ在住ジャーナリスト ボグダン・パルホメンコさん 「比較的、ゼレンスキー大統領に対する支持率は低下気味だったが、一連のトランプの圧力の影響もあって、(ゼレンスキー大統領の)支持率が今、65%までかなり上がっている」
キーウ在住のボグダンさん。トランプ大統領への期待はあるのでしょうか。
キーウ在住ジャーナリスト ボグダン・パルホメンコさん 「全くないです、今のところ。基本的にはすべて自身の利益に基づいてトランプ大統領は動いているということで。自分が(戦争を)止めたんだとアピールするために何が何でも、どんな条件でも停戦をさせたいということが一つ。そしてもう一つは、ウクライナには15兆ドル分の鉱物が眠っている。これを自分のものにすることがトランプ大統領の狙いだと理解している」