文化庁の専門家会議は「食」の達人を対象にした新たな表彰制度の方向性を取りまとめました。受賞者の呼称は「食の至宝」とすることを提案しています。

 専門家会議には日本ソムリエ協会会長の田崎真也さんらが参加し、去年9月から料理人らの社会的地位の向上や担い手の確保につなげるための新たな表彰制度作りが検討されていました。

 取りまとめられた新制度の方向性では、食文化の分野を特定せずに料理人などの各分野の当代一流とされる「わざ」の保持者などを対象とすると提言されています。

 歴史的・芸術的な価値や文化・社会貢献の観点から推薦委員が推薦し、有識者らで構成される選考委員会での協議を経て、文部科学大臣が決定することを想定しています。

 また、表彰は年1回とし、呼称としては「食の至宝」が提案されました。

 一方、既存の制度との重複や受賞者の数など新制度の実行に向けた課題も示されました。

 文化庁は2025年度中に制度のデザインや課題などを検討する合議体を設置し、早ければ2026年度から新制度での表彰を目指したいとしています。