政府が備蓄米を放出する方針を示してまもなく2週間ですが、スーパーでは米の価格高騰が続いています。

 宮城県の米どころ栗原市のスーパーでは、宮城県産ひとめぼれが5キロ3542円と前年同時期に比べて1.7倍です。備蓄米の放出が決まっても、米の価格高騰が続いています。

 買い物客「主食だから買わざるを得ない。高くても仕方がないと思ってね」「備蓄米が出ることで少しでも値段が下がってくれれば、家計が助かるので良いかなと思います」

 農林水産省によりますと、10日からの1週間に全国のスーパーで販売された米の5キロ当たりの平均価格は3892円と、1年で1800円以上高くなっています。前週と比べても62円の値上がりです。

 需要のひっ迫を解消する狙いの備蓄米放出が決まっても、品薄への不安感が強まったためか米の売り上げが前月より6割増えています。

 丸江スーパー一迫店狩野優太店長「3月には政府の備蓄米が放出されるということで、少しでも値段が安定してお客様が買い求めやすい値段になるといいと思っております」

 宮城県にある米の保管倉庫は、1年を通じて室温は15℃以下に保たれ湿度も一定にして米の品質を保っています。

 例年であれば今の時期は込め袋で埋め尽くされていますが、5000トン弱が保管できる倉庫には1500トンほどしかありません。

 宮城県産の米は東京など大都市で人気が高いため、保管している量が大幅に減っています。

 政府の備蓄米の放出ですが、効果はあるのでしょうか。米の流通や価格の変動に詳しい宮城大学の大泉一貫名誉教授は、今後の見通しを次のように示します。

 大泉一貫名誉教授「15万トン放出する、全体で21万トン放出するということになれば、実際に米が流通プロセスの中に出てくれば価格は下がる可能性はあると思う。問題はちょっと遅きに失しているということ。備蓄米を放出するという農林水産省の手法、アナウンスも含めて米価を下げる方向に機能していないのではないか」