カナダはアメリカへの報復措置として、アメリカからの輸入品に25%の関税を課すと発表しました。輸入品が欠かせないカナダの飲食店からは悲痛の声が上がっています。
カナダの飲食店 「ここで使っている米はカリフォルニア産のカルローズ米だ。私たちのほとんどの料理でたくさんの米が使われている」
カナダ南部オンタリオ州にあるこちらの日本料理店では、米はアメリカからの輸入に頼っています。さらに…。
カナダの飲食店 「このウナギのタレは日本のブランドだが、仕入れ先に聞いたところ、アメリカ製だそうだ。あとラップもアメリカからだ」
アメリカからの輸入品に25%の関税がかかればメニューの値上げは避けられず、営業を続けられるかどうかの瀬戸際だと話します。
カナダの飲食店 「関税がなく、他国からの輸入品に頼らない他のレストランには楽なことだと思う。もし値上げしなければならないなら、私が客だったらここより安い店で食事をする。私たちにとっては間違いなく大きな問題だ」
マーティンレアインターナショナル ロブ・ウィルデボア会長 「ゼネラルモーターズのトラックやSUVに使われる部品を多く納品している。トヨタのケンブリッジ工場にも納品している。レクサス向けだ」
アメリカとの国境に近いカナダの街では、無関税を前提としたビジネスで自動車産業が発展してきました。
関税が導入されることで、自動車の価格が高騰するうえ、北米全体のサプライチェーンが機能しなくなることへ危機感が高まっています。
マーティンレアインターナショナル ロブ・ウィルデボア会長 「北米で自動車は最大の産業でありハイテクであり、どんな製造業よりも多くの雇用を支えている。関税のない自由な貿易ができてこそ円滑に機能する。自動車産業にとっての危機は、多くの人が高くなった車に手が出なくなることだ。消費者が買い控え、あるいは車を買わなくなってしまえば生産も止まる。生産台数が減り、雇用などあらゆることが打撃を受ける」