ウクライナ軍で総司令官を務めたザルジニー駐イギリス大使が「世界の秩序を破壊している」とアメリカの姿勢を厳しく批判しました。

 ウクライナのザルジニー大使は6日、ロンドンで開かれた安全保障に関するシンポジウムで、「ホワイトハウスが西側世界の結束を疑問視していることは明らかだ」と指摘しました。

 アメリカ抜きでのヨーロッパの安全保障は「NATO(北大西洋条約機構)がなくなる可能性を示唆している」と指摘したほか、アメリカとロシアの協議を「ホワイトハウスがクレムリンに歩み寄っている」などと述べ、ヨーロッパがロシアの次の標的になる可能性があると警告しました。

 そのうえで「ロシアや悪の枢軸だけでなく、アメリカも世界秩序を破壊している」と厳しい言葉でアメリカ批判を展開しました。

 ザルジニー氏はウクライナ軍総司令官として首都防衛や反攻作戦などを指揮しましたが去年2月、ゼレンスキー大統領に解任されて駐イギリス大使を務めています。

 先月末のウクライナの世論調査ではザルジニー氏の支持率は62%で、ゼレンスキー大統領の52%を上回っています。

画像:Chatham House