おなじみの「あの名店」が続々と“二刀流”に進化。その理由を探ります。
■「銀座ハゲ天」新グルメなぜ
アメリカから来た人 「旅行サイトで見つけて4.6の高評価だった」
オーストラリアから来た人 「オイシイ」
実に客の7割が外国人観光客。銀座5丁目にある「銀座ハゲ天」です。
創業から97年、言わずと知れた天ぷらの名店ですが、実は、この店舗にはもう一つの看板メニューが。
アイルランドから来た人 「お父さんは天ぷら、お母さんはラーメンが食べたいと。両方がかなえられました」
なんと、ラーメンと天ぷらの二刀流です。
来店客 「全部ペロッと。全然食べられました」
一番人気はズバリ、天丼とラーメンのセット。サワラの粉末を使用した、さっぱり系の豚骨スープは天ぷらとの相性も抜群。博多発祥のラーメンチェーン「一風堂」の運営会社と共同開発した本格派の豚骨ラーメンです。
アメリカから来た人 「どっちも最高。私は好き嫌いが多いタイプだけど、これは本当においしい」
さらに、天ぷら店ならでは。トッピングはチャーシューや紅ショウガの天ぷら。“ハゲ天流”ラーメンです。
そばやうどんでは当たり前すぎる、本格ラーメンとの二刀流という新しさを狙ったといいます。
銀座ハゲ天 渡辺徹社長 「ラーメンとの組み合わせが面白いと。将来はお客様がどんどん減っていくのではないかと。こういう業態は一つ役に立つのかなと始めた」
■「峠の釜めしうどん」って?
一方、今年1月、あの老舗も“二刀流”を始めました。
「峠」を名乗り、しかも見覚えのある器。名物駅弁「峠の釜めし」でおなじみの「荻野屋」がうどん屋さんを始めたんです。
来店客 「峠の釜めしじゃなくて、うどんという。斬新というか新しさを感じて、懐かしいモノと新しいモノいっぺんに出会えた。とても良い」
一番人気は「峠の釜めしセット」。ミニサイズの釜めしと釜揚げうどんを一緒にいただけます。
さらに、エビのうまみがギュッと凝縮した汁なしの「海老まぜうどん」。
週1回は訪れる、峠のうどんファンの女性のお気に入りは…。
常連客 「今まで一番食べたのは牛すじカレーうどん。おいしい。辛さもそんな辛くない。ちょっとカロリー高いかなと思うけど、つい頼んじゃう」
それにしても、なぜ「峠の釜めし」の老舗がうどんを…。
荻野屋 首都圏事業部 天野佑紀さん 「和食を中心に展開をしている会社。だしを中心に何か展開できないか。うどんという新業態にたどり着いた」
創業からおよそ140年。こだわり続けた伝統のだしを生かせると始めた新たなチャレンジ。
来店客 「おだしは間違いない。うどんのおだしも上品な味。すごく良い」
狙いはズバリ…。
荻野屋 首都圏事業部 天野佑紀さん 「発祥の地である群馬県の横川に足を運んでいただけるようなきっかけ作りにも東京の出店というのはつながれば良いなと思っている」
■なぜ?崎陽軒が“スイーツ”
そしてこちらも、ある老舗の意外すぎる新業態。スイーツ店なのですが…。実はここ、「崎陽軒」が運営しているんです。
シウマイはもちろん、冷めてもおいしいお米にこだわり続けてきた崎陽軒。違った形でお米のおいしさを届けたいと近年、注目されているヘルシーな米粉スイーツに目を付けたといいます。
購入客 「職場ですごく好評。あんずがすごく良いです」
シウマイ弁当の“名脇役”、干しあんずを生かしたスイーツも。
HB Style KIYOKEN 津久井瞳さん 「お弁当でちょっと形が崩れた干しあんずの原料をピューレ状に加工して、ブリオッシュに使っている」
その味は…。
桝田沙也香アナウンサー 「お弁当のあのあんずのまま。ペーストにするとまたおいしい。酸味がすごくアクセントになっている」
強みを生かしたスイーツで、新たな横浜名物にしたいといいます。