宮城県全域に警報が出ている感染性胃腸炎について専門家は、感染拡大の原因についてノロウイルスの他にサポウイルスの同時流行を指摘しています。

 16日までの1週間に宮城県で確認された感染性胃腸炎の患者数は、1医療機関当たり9.49人と4週連続で増加しています。この時期としては過去10年で最も多く、県は13日、約3年ぶりに全域に警報を発表し継続しています。

 感染症に詳しい東北医科薬科大学の藤村茂教授に聞きました。

 東北医科薬科大学藤村茂教授「感染性胃腸炎の主な原因ウイルスでノロウイルスはよくご存じだと思いますが、それ以外にサポウイルスというものもあります。これが同時に流行することはそう多くはないんですね。同時流行が起こっているとみています。基本的にはノロウイルスと症状とかは何ら変わらない」

 サポウイルスは、札幌市で発見されたことから名前が付けられたウイルスで、乳幼児から成人まで幅広く感染し、下痢やおう吐などを引き起こします。

 12月には、栗原市の保育施設で集団感染が発生し児童11人が体調不良を訴えました。

 藤村教授は、ノロウイルスもサポウイルスも主に汚染された食べ物を介して感染するとした上で、感染を広げないためには、吐しゃ物などを適切に処理することが重要と指摘します。

 東北医科薬科大学藤村茂教授「突然おう吐が来たりとか、お子さんとかですとトイレに行く前に下痢を起こしてしまってトイレまで間に合わなかったケースはよくある話なんですよね。やられる方は必ず手袋をしていただきたいが、新聞紙とかでまずおう吐物を取っていただいて。ご家庭ですと塩素系の漂白剤が非常に有名だと思いますけど、きちんとした濃度で消毒をしていただくということが重要になります」