津波に流されて傷つき、修復された宮城県七ヶ浜町のピアノが、2022年も仙台空港に設置されました。

 音楽を通して、東日本大震災を後世に伝えます。

 このピアノは、震災について考えるきっかけを作ろうと、2021年に続き仙台空港の1階に設置されました。

 1日は、設置記念のミニライブが開かれ、岩沼市出身のピアニスト猪股久智さんがブラームスやドビュッシーの曲を演奏し、50人ほどがその音色に聞き入りました。

 演奏を聴いた人「力強くて、でも音も澄み切って良い音でしたよね。11年間の思いがいっぱい詰まったピアノだと思います」

 ピアノは、元々は七ヶ浜町の住宅の中にありましたが、津波に流されてがれきの中に置かれていました。

 海水をかぶったためさびもひどく、演奏できる状態ではありませんでしたが、音楽関係者の呼びかけで半年ほどかけて修復されました。

 普段は、七ヶ浜町のピアノ教室で使用されていますが、がれきとぶつかってできた傷は今も残っていて、西城秀樹さんの名曲「傷だらけのローラ」にちなんで「ローラ」と呼ばれています。

 ピアノ所有者櫻井由美さん「いろんな方の手を借りて復活したローラの音色を聞いて、目で見て、触っていただいて、震災のことを何かローラから感じ取っていただければうれしいです」

 ピアノは20日まで設置されていて、期間中、誰でも弾くことができます。