宮城県の新たな津波浸水想定について、専門家として報告書の作成に携わった東北大学災害科学国際研究所の今村文彦所長に、今後の対応について話を聞きました。

 東北大学災害科学国際研究所今村文彦所長「我々は11年前に東日本大災を経験しまして、その被害を繰り返さない。そのような対策であったり、皆さん取り組みをしていただいております。

 しかし、将来的にはあの状況を上回る可能性も今回あるということが出ましたので、それをぜひ見ていただいて津波に対する避難の意識を一つ格上げしていただきたいと思います」

 新たな想定では、9つの市と町で役場庁舎が浸水することが示されましたが、これらの自治体は今後、どのような対応が必要になるのでしょうか。

 東北大学災害科学国際研究所今村文彦所長「短期的にはその機能がまず果たすように、代替の場所であったり、機能を確保していただく。

 役場であったり病院であったり、重要な施設に関してはそれを踏まえて、中長期的には、その危険な場所から離れていただいた方がいいと思います」

 また、各自治体は今後、避難計画の見直しも求められることから国の財政支援の必要性を強調します。

 東北大学災害科学国際研究所今村文彦所長「場合によっては、避難のための高台であったり避難ビルですね。そういうものも見直しが必要になります。

 中長期的にはそういうものをより強固にする。また、必要な場所も新たに出てくるかもしれません。そういうものの支援を、県また国はぜひしていただきたいと思います」