9年前、宮城県の石巻魚市場に復興に役立ててほしいと匿名で金の延べ板が届けられ被災地を元気づけるとして話題になりました。

 石巻魚市場は、金の延べ板を現金化して市の商工会議所に寄付し商工会議所が水産業の振興に役立てることになりました。

 震災から約2年後の2013年2月に、石巻魚市場に届けられた重さ1キロの金の延べ板2枚です。

 長野市から宅配便で届けられましたが、差出人は架空の団体と思われる地震津波支援協力会で、連絡先やメモなどはありませんでした。

 石巻魚市場須能邦夫社長(当時)「無造作に開けたわけですが、金の延べ板が入っていたということです。大きな心の支えになる。こんなにうれしいことはない」

 この金の延べ板について、魚市場では当初からいずれ現金化して復興のために役立てようと考えていました。

 8月に市の商工会議所に寄付をするため金の延べ板を現金化しました。その額は1600万円で、寄付した額は税金を差し引いても1300万円に上りました。

 石巻魚市場佐々木茂樹社長「(水産)業界の方に役立てもらいたいということで、会議所の方に寄付させてもらいましたんで、これを有効に使ってもらって、なんとか水産業界が活気みなぎるような業界にしていきたいなと思ってます」

 寄付を受けた市の商工会議所では、この1300万円を基に基金をつくり、水産業のために活用することにしています。

 石巻商工会議所高橋武徳専務理事「大変ありがたく思ってるというような率直な気持ちです。業界の活力になるためのいろんなイベントとか販路の拡大に活用していきたいと考えています」