新型コロナウイルスの感染者の療養期間について、岸田総理大臣が6日に短縮する方針を明らかにしました。専門家は、陰性を確認してから行動した方が良いものの医療機関などのひっ迫の解消につながるメリットは大きいと話します。

 岸田総理大臣は感染者の自宅などでの療養期間について、症状がある人は現在の原則10日間から7日間に、無症状の人は検査で陰性が確認されることを条件に、7日間から5日間に短縮する方針を明らかにしました。

 感染症に詳しい長崎大学大学院の森内浩幸教授は、現在の感染状況であれば、療養期間を短くして医療従事者などの復帰を早くした方がメリットが大きいと話します。

 長崎大学大学院森内浩幸教授「病床を確保して人員を確保してとか、感染拡大を遅らせるための時間を稼ぐためには隔離期間は長めに置く必要があると思います。ところが感染がすごくまん延してしまった場合には(医療従事者や介護職員など)大事な仕事をしてる人たちが、10日間とか1週間とか長めに仕事を休まなければいけないということによって起こる弊害もあります。私は今のタイミングで療養期間を短縮するのは間違ってはいないと思います」

 一方で、特に重症化リスクのある人と接する機会のある療養者は、症状の有無にかかわわらず検査で陰性を確認してから復帰するようにしてほしいと話します。

 長崎大学大学院森内浩幸教授「今のオミクロン株でも60歳以上の高齢者、そして基礎疾患を持っている人に対しては、季節性のインフルエンザよりも重症化、それから死亡につながる確率は高い。そういう感染症であるのは間違いありません。PCRは感度が良すぎてもう人にうつすようなウイルス(量)がなくなった状態でも結構長く陽性が続くことがありますので、私はもう抗原検査くらいでただ1回だけでは不十分かもしれないので、連続して2回陰性の確認ができれば十分注意をしながら仕事に復帰するということでも構わないと思います」

 森内教授によると「症状がある人でも1週間くらい経った時には、発症する前日や発症してすぐのころに比べるとずいぶんウイルスは少なくなり、PCRでは陽性判定でも実際に感染力を持つウイルス量であることは極めてまれになってくる」ということです。