2022年の冬、3年ぶりにインフルエンザが流行し、新型コロナと同時流行する恐れがあるとみられています。専門家は、これまでにない医療のひっ迫を警戒しています。

 東北医科薬科大学藤村茂教授「前年までとの大きな違いは、人の往来が今、海外との行き来が自由になってきつつある状況ですよね。こういったこともあると、当然インフルエンザウイルスをお持ちの患者さんが日本に入って来ることは、往々にしてあるだろうと思います。2年間インフルエンザを経験していなかったので、多くの国民の方がかなりインフルエンザウイルスに対する抗体価はそれなりに落ちている可能性はありますので、感染しやすい状況にはあるのかなというふうに思います」

 感染症学に詳しい東北医科薬科大学の藤村茂教授は、外国人観光客の入国規制の緩和や免疫力の低下から、早ければ10月にも国内でインフルエンザが流行し、人の往来が増える年末年始にかけて新型コロナと同時流行する可能性が高いと指摘しています。

 インフルエンザと新型コロナの同時流行で懸念されるのが、これまでにない医療現場のひっ迫です。

 東北医科薬科大学藤村茂教授「クリニック側の立場からすると、インフルエンザの患者とコロナの患者がはっきり言えば分からないです。熱が出ていますというだけで、コロナの患者を想定した対応になっていくということになるんですけど、常にコロナ対応で診察をしなくちゃいけないとなるとものすごく負担になるんですよね」

 宮城県では、インフルエンザワクチンの接種が10月上旬から始まります。

 今シーズンから希望すれば、新型コロナウイルスワクチンとの同時接種も受けられるようになりました。

 東北医科薬科大学藤村茂教授「違う腕に打ってくださいということにはなってるんですけど、二つを一緒に同時期に打つことで副反応が非常に増えるとか、そういった話は今のところ報告は上がってきていないということになりますので」

 厚生労働省は、インフルエンザワクチンを過去最大の約3500万本準備し、接種希望者の増加に備えています。