2020年に電子部品製造トーキンの仙台市太白区の工場で社員2人が窒息死した事故で、業務上過失致死の罪に問われている現場責任者ら2人の初公判が仙台地裁で開かれ、現場責任者は起訴内容を認める一方、作業を指揮監督していた被告は無罪を主張しました。

 2020年7月、太白区郡山にあるトーキンの工場の磁石を製造する焼結炉の中で、当時50歳と26歳の男性社員2人が酸欠により窒息死しました。

 この事故で、当時の現場責任者の森克明被告(58)と作業を指揮監督していた田中文雄被告(57)が業務上過失致死の罪に、そしてトーキンが労働安全衛生法違反の罪に問われています。

 14日の初公判で、森被告とトーキンは起訴内容を認めた一方、田中被告は「過失は無かった」と無罪を主張しました。

 検察側は、冒頭陳述で「焼結炉は低酸素状態で生命の危険が伴う作業であったにもかかわらず、被告らは換気や酸素濃度の測定を行わなかった」と指摘しました。