子どもがかかりやすく風邪の症状を引き起こす、ヘルパンギーナやRSウイルスが増加しています。専門家は新型コロナの影響で、子どもの免疫力が落ちていることを要因としています。
新型コロナの感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられて約1カ月半が経過し、マスクの着用は個人判断となり多くの場面で日常が戻りつつあります。
こうした中、子どもがかかりやすい夏風邪のヘルパンギーナや、夏から秋に流行するRSウイルスの感染が増加しています。
11日までの1週間、仙台市の1医療機関当たりの感染者数は、ヘルパンギーナは3.74人、RSウイルスは3.11人といずれも前の週に比べて増加しています。
過去5年間の同じ時期の平均と比較すると、ヘルパンギーナは42倍、RSウイルスは3倍に増えています。
高熱や口の中の水ぶくれを引き起こすヘルパンギーナ、そして発熱や鼻水のほか肺炎も引き起こす恐れがあるRSウイルスは、いずれも乳幼児がかかりやすい感染症ですが、なぜ増加しているのでしょうか。
長崎大学大学院森内浩幸教授「今は元々かかるべき子どもたちがかからなくて、集団免疫が落ちているところに流行の広がる子どもたち同士の本来の密な接し方が戻ってきておりますので、そこで一気にいろんな感染症が子どもたちの中で広がっていっているんだと思います」
森内教授は、手洗いや体調管理の徹底、症状が出た場合は早めの医療機関の受診などを呼び掛けています。
長崎大学大学院森内浩幸教授「ごくまれに色々な合併症を起こすことがあります。例えばヘルパンギーナものどがすごく痛くなりますので、飲んだり食べたりしてくれない熱もあるし汗もかいたりするため、脱水症状をきたしてもう点滴をしないといけないくらいの重症になることもあります。それからごくまれですけど、急性性心筋炎とか急性脳炎みたいに命に関わるような合併症を起こすこともあります。過度に心配はいりませんが、いつもの風邪の時に比べてお子さんがちょっと様子がおかしいという時は必ずかかりつけ医に相談をする」
森内教授は、夏にかけて感染する子どもは増えていくとみていて、子どもが使う
おもちゃや食器の消毒のほか、手洗いを心掛けてほしいと話しています。