宮城県栗原市の小学校で、侵入してきた軽トラックに児童4人がはねられけがをした事件から13日で1週間です。開いていた通用口から車で侵入し、無差別に児童をはねたとみられる想定外の手口に学校の安全対策の見直しが急がれています。

 中津川夏帆記者「事件があった若柳小学校です。事件から13日で1週間。授業も再開され、学校は元の姿を取り戻しつつあります」

 6日午後3時ごろ、栗原市の若柳小学校の敷地内で、侵入してきた軽トラックに児童4人がはねられけがをしました。

 警察は、運転していた近くに住む小野寺章仁(34)容疑者を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕しました。

 小野寺容疑者は容疑を認めていて「人にわざとぶつけようと思った」「ぶつかる直前にスピードを緩めた」などと供述しているということです。

 学校の敷地内に車で侵入し、無差別に児童をはねたとみられる手口に、保護者には不安が広がりました。

 保護者「うちの子どもも現場を見てしまったというのがあったので、一番はやっぱり子どもの心のケアが必要じゃないか」

 小野寺容疑者が運転する軽トラックは、開いていた通用口からゆっくりと侵入しクラブ活動中でしゃがんでいた児童を背後からはねたことが分かっています。

 その後、鍵がか掛かっていない入り口から校舎内に侵入したところ、教頭らに取り押さえられました。抵抗は無く憔悴した様子で「逃げないから」と話していたということです。

 学校側は、2001年に大阪府池田市で起きた大阪教育大学附属池田小学校の事件を受けて、刃物を持った人が学校に侵入してくることは想定しているものの、車の侵入は想定していませんでした。

 子どもたち守るために、事件を受けて学校側は対策を進めています。

 中津川夏帆記者「若柳小学校では、車両が進入できる全ての出入口に仮設のバリケードが設置されました」

 栗原市教育委員会は、幼稚園や小中学校で車両が進入できる場所計132カ所にバリケードを設置することを決めました。PTAや警察による見回りも強化しています。

 授業が再開した10日からカウンセラーを増員して心のケアに当たっていて、事件を目撃したり聞いたりして不安を訴える児童もいたということです。

 小野寺容疑者は、若柳警察署に事件当日と前日に計3回「自分が危害を加えられる」という内容の相談をしていました。

 しかし、警察は人に危害を加えるような様子などが見られなかったことから、保護はしていませんでした。

 仙台地検は小野寺容疑者を鑑定留置して、責任能力の有無について調べる方針です。

 中津川夏帆記者「学校敷地内への車の侵入という想定されていなかった手口で起きた今回の事件。学校の安全を確保するためにも、不審者への対応を改めて見直すことが必要になりそうです」