「老人ホームの入居権が当たった」と金をだまし取る手口の詐欺で、宮城県の高齢女性が約8500万円をだまし取られました。宮城県の特殊詐欺の被害額として最高額です。こうした手口は全国で相次いでいて、消費生活センターなどが注意を呼び掛けています。
仙台市消費生活センター柴田恵美所長「老人ホームの入居権のご相談というのは前からちょっとずつありましたが、今回は宮城県最高額の大きさにちょっと驚きました」
仙台市消費生活センターの柴田所長は、9日に明らかになった詐欺事件は複数の人が出てきて混乱させることで金をだまし取る、劇場型の手口と話します。
仙台市消費生活センター柴田恵美所長「(前年は)有料老人ホームや介護施設などに入居する権利を譲ってほしいという詐欺の電話が多いんですけども、入居権を譲ってほしいと言われて承諾をすると、あなたの名義で申し込んだんだからあなたがお金を払う必要があるなどと言われて、お金を要求する形になります。それが必要ないと断るとじゃあ別の方に譲ってもらえますかという話になっていって、譲るに当たって手数料がいると」
老人ホームの入居権に関する詐欺電話の全国の相談件数は、2014年度から減少傾向だったものの2022年度は大きく増加していて、仙台市でも増えているということです。
こうした電話は高齢者の世帯に集中する傾向があります。柴田所長は、留守番電話を設定し知らない番号からかかってきた場合は出ないことなどが対策になると話します。
仙台市消費生活センター柴田恵美所長「詐欺の電話ですので、言っている内容は全くのでたらめということが多いですので、そこは話を聞かないということしかないと思います。やりとりしてしまってもまず断って、絶対にお金は支払わないということで、そしてすぐに家族や友人ですとか警察とか消費生活センターに相談していただければと思います」