女川原発2号機の運転差し止めを周辺住民が求めた裁判の控訴審が始まり、住民側は改めて再稼働の中止を求めました。
女川原発の30キロ圏内に住む宮城県の石巻市民16人は「原発事故が起きた際の県と石巻市の避難計画には不備があり、再稼働により人格権が侵害される」として、東北電力に女川原発2号機の再稼働の差し止めを求めています。
一審の仙台地裁は「避難の前提となる放射性物質が異常に放出される事故の発生を立証すべき」として原告の訴えを退けました。
2日に仙台高裁で控訴審が始まり、原告の住民側は「事故が起こることを前提とした上で、避難計画の実行性を判断すべき」と一審の判決を批判しました。
一方、東北電力側は「原告側は、原発事故が発生するとの科学的な証明ができていない」として控訴の棄却を求めました。
女川原発2号機について、東北電力は2024年2月に再稼働を予定していましたが、安全対策工事に時間を要するとして2024年5月に延期しています。