宮城県は、仙台医療圏4病院の再編構想について初めての住民説明会を17日夜に仙台市太白区で開きました。県の説明に対し参加した住民からは「経営の話ばかり」「住民の思いを分かっていない」などと厳しい意見が相次ぎました。

 山下裕志記者「4病院の再編構想で県が初めて住民説明会を開きます。住民の皆さんはどんなことを考えて参加したのでしょうか」

 住民説明会は仙台赤十字病院のある太白区の市民センターで開かれ、約90人が参加しました。

 県の構想では、仙台赤十字病院は名取市の県立がんセンターと統合して名取市に設置します。

 「何をどう考えているのか、分かるのはマスコミから出てくるニュースぐらい。何としても参加してまず話を聞こうということで」「日赤病院に通っていますが、もしこれが名取市に行けば足とか不便で名取市まで行けないんですよ」

 説明会には、宮城県の伊藤哲也副知事が出席しました。県の担当者が病院の厳しい経営環境などを説明し、再編に理解を求めました。これに対し、住民からは厳しい意見が相次ぎました。

 「(説明からは)地域の人たち、病院に通院している人たちの思い、それから病院で働いている職員の皆さんの気持ち、そういうものが一切感じられない」「赤字、赤字って言ってますけど、人の命には代えられないんですよ」

 伊藤哲也副知事「命は金に代えられない、確かにその通りだと思います。どのようにしたらこれまでの医療を引き継いで、今後にわたって仙台医療圏の医療体制を維持できるかが私たち県の発想です」

 約2時間にわたった説明会では、宮城県と住民の溝は埋まりませんでした。
 「こういった説明しかできないんだろうなという想定の範囲内という感じではあるんですけども」「日赤さんに命綱を預けてきた地域の皆さんが、本当につらいんだという気持ちをどこにぶつけたらいいのかなあって」

 伊藤副知事は、今後も説明を続けたいと述べました。
 伊藤哲也副知事「地域の方々としてはごもっともな意見でありまして、私たちとしては引き続きなぜ再編するのかということと、(基本合意後には)より具体的な情報、一層説明を尽くして参りたいと思っております」

 県は23日には、東北労災病院がある青葉区で住民説明会を開きます。