JR仙台駅西口に誕生する新しいホテルの地鎮祭が行われました。仙台駅周辺ではホテルの開業が相次いでいて、専門家はインバウンド需要の高まりと分析しています。

 地鎮祭にはホテルを運営する仙台ターミナルビルの関係者らが出席し、工事の安全を祈願しました。

 東北への観光客やビジネス利用客に拠点として利用してほしいと、新しいホテルの名称はホテルメトロポリタンベース仙台と発表されました。

 地上9階建てで延べ床面積は約2860平方メートル、客室数は56室で1階にはレストランが入る予定です。

 新しいホテルでは、仙台ターミナルビルが運営するホテルでは初めて、ベッドを4台設置した広い客室も用意されます。

 仙台ターミナルビル松崎哲士郎社長「インバウンドの方は土日休日限らず常時入って来ている。インバウンドの方に積極的に宣伝して使っていただきたい」

 ホテルは2026年の1月ごろから宿泊の予約受付を開始し、春の開業を予定しています。

 仙台駅周辺では、ホテルの開業が相次いでいます。

 七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友首席エコノミストは「コロナ禍が明け、インバウンド需要が回復したため」と分析します。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席「直行便が復活したことに加えて、アジアでも海外旅行ができる中間所得層が増えてきたことと、円安基調で旅行のコストが下がっていることが要因」

 仙台市によりますと、2023年の宿泊者数は約600万人とコロナ禍前の水準に戻りました。

 外国人の宿泊者数はコロナ禍で大きく落ち込みましたが、2023年は33万8559人と過去最多になりました。

 12月以降、航空会社3社が仙台と香港を結ぶ定期便を相次いで就航することから、インバウンド需要は更に高まることが見込まれています。

 一方で、田口首席エコノミストは増加する宿泊者数に対して施設の対応が追い付いていない状況もあると指摘します。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席「客室は空いていても働く人がいないので(客室を)埋められないことがある。稼働率を上げられない背景には、人出不足の問題が重くのしかかっていて、賃金を上げる対策を講じているが増加する需要に対応しきれていない」