仙台市を拠点とする特殊詐欺グループが摘発された事件で、メッセージを送る「打ち子」が新たに1人逮捕されました。逮捕者は計30人に上ります。

 大橋和之容疑者(35)ら仙台拠点のグループは、偽の高額当選金サイトなどを運営し、宮城県外の女性4人から現金など計843万円をだまし取った疑いで逮捕されました。

 宮城県警は16日、嘘のメッセージを送る打ち子をしていた、東京都新宿区のアルバイトの女(36)を新たに逮捕しました。

 捜査関係者によりますと、グループは、宮城、東京、千葉、埼玉、福岡の5都県に拠点を置き、だました数による歩合制で報酬を分配していたとみられています。

 仙台は打ち子の拠点で、月1億9000万円詐取を目標に活動し、リーダーの大橋容疑者は上部組織から月約200万円の報酬を得ていたとみられています。

 無料求人誌で「メールオペレーター募集」「初月から40万円」など高収入をうたい打ち子を集め、大半は20代だったということです。

 打ち子は、複数日出勤すれば時給が上がるシステムで、平均月10~20万円、多い人で月50万円以上を稼いでいたとみられています。

 メンバーの一部は警察の調べに対して、「だますのではなく、仕事をする感覚だった」「高収入なので続けていた」などと供述しているということです。

 

【不審電話に注意】
 「詐欺グループが逮捕された事件で押収した名簿にあなたの名前がある」といった不審電話が相次いでいます。

 事件を悪用し、強盗のために情報を聞き出す「アポ電」とみられ、宮城県警は、電話で家族構成や資産状況を話さないように呼び掛けています。