第172回芥川賞が発表され、安堂ホセさんの「DTOPIA」と鈴木結生さんの「ゲーテはすべてを言った」が選ばれました。
芥川賞に決まった「DTOPIA」は、高級リゾートの島でミスユニバースの一人の女性を巡って各国代表の10人の男が競い合う恋愛リアリティーショーが舞台です。
リアリティーショーに東京代表として参加する男とその幼なじみの関係性が描かれるなか、ジェンダーや人種、戦争などの社会的なテーマが盛り込まれています。
作者の安堂ホセさんは東京都生まれの30歳です。
安堂さんは2022年、「ジャクソンひとり」で文藝賞を受賞し、作家デビューしました。
芥川賞は3回目のノミネートでの受賞となりました。
もう一つの作品「ゲーテはすべてを言った」は日本におけるゲーテ研究の第一人者の大学教授が主人公です。
偶然に出会った紅茶の袋に書かれた未知のゲーテの言葉の出典を追い求める主人公の姿が描かれています。
作者の鈴木結生さんは福島県出身の23歳です。
鈴木さんは西南学院大学の大学院に在学中で、去年、「人にはどれほどの本がいるか」でデビューしました。
芥川賞は初めてのノミネートでの受賞となりました。