2024年の家計調査の結果が発表されました。仙台市はラーメンの支出額が3年連続3位で、10年ぶりのトップ2入りはなりませんでした。
総務省の家計調査によりますと、2人以上の世帯による1世帯当たりのラーメンの年間支出額で、仙台市は前の年より2500円ほど多い1万5534円でした。
3年連続の3位で、2014年以来のトップ2に食い込むことはできませんでした。
1位は山形市の2万2389円、2位は新潟市の1万6292円で、1位から3位の順位は3年連続で変わっていません。
仙台市若林区にある麺屋とがし本店の看板商品は、豚骨と鶏ガラをベースにした濃厚つけ麺です。
宮城県でラーメン店6店舗を経営し、この道20年の冨樫社長に仙台市の3位という順位をどのように受け止めているのか伺いました。
麺屋とがし冨樫達也社長「とてもうれしい結果。仙台市民の皆様がラーメンを愛してくださる証拠でもありますし、ラーメン店経営者として誇りに思います。山形市に負けたのはそこまで悔しくない。新潟市に負けたのはちょっと悔しい」
仙台市がトップ2に入れば10年ぶりということでしたが、新潟市との差は約750円でした。
仙台市のラーメン支出額は、記録が残る2000年以降1万円前後で推移していましたが、2022年に初めて1万2000円台を突破し、今回は過去最高額の1万5534円でした。
仙台市でのラーメン熱の高まりについて、数々のラーメン店を取材してきた仙台のタウン情報誌Style編集部の岩本拓也さんによりますと、大きく分けて3つの要因が挙げられるということでした。
1つ目は、全国の有名店が仙台市に出店していることです。仙台市民が有名店の味を近場で楽しめるようになっただけではなく、既存のラーメン店がお客さんを逃がさないため新たなメニューを開発する動きもみられるということです。
2つ目は、ご当地ラーメンが有名な地域が隣県にあることです。総務省の家計調査では、対象世帯が市外でラーメンを食べても居住自治体の支出額としてカウントされます。
山形県には辛味噌ラーメンをはじめ地域ごとに特色がありますし、福島県には喜多方ラーメンや白河ラーメンがありますので、足を伸ばして仙台市民が食べに行っていることも理由の1つということです。
3つ目は、仙台市で大規模なラーメンイベントが増えてきているということ。これまでラーメン店には足を運ばなかった人でもカジュアルに参加できるラーメンイベントを通して全国各地の味に触れ、結果的にラーメンユーザーを増やすきっかけ作りになっているということです。
山形市や新潟市は行政が予算を執ってラーメンの魅力を発信しているので、仙台市でもこのような後押しがあると更に支出額が増えていくのではということでした。
なお、今回の家計調査で仙台市が支出額で全国1位になったのは、かまぼこの25年連続をはじめ、チューハイや子ども用靴下など計7品目となっています。