12日、気象庁で富士山などの噴火の際に降る火山灰についての検討会が開かれました。灰は首都圏にも降ることが想定されるなか、私たちの生活にどんな影響があるのでしょうか。

■富士山噴火したら…生活への影響は

 12日、気象庁の専門家会合で富士山などの噴火時に備え、降灰量に応じて警報を発表する方針が確認されました。

広域降灰の予測情報に関する検討会 藤井敏嗣座長 「突如、黒雲が押し寄せてきて、そこから火山灰が降るわけで、ただただ恐怖心がわくだろうと。ある種の警報みたいなのがあった方がいい」

 検討会に示された案としては、降灰予測が、鉄道が止まる恐れがある0.1ミリ以上なら「降灰注意報」、3センチ以上は「降灰警報」で、雨が降っていた場合、木造家屋が倒壊する恐れがある30センチ以上の降灰が「一段強い呼び掛け」とするというものです。

 もしも富士山が大規模噴火したらどうなるのでしょうか。

 1707年、江戸時代中期の「富士山の宝永噴火」を再現したCG映像です。火山灰が広い範囲に降り注ぎ、江戸にも降灰があったといいます。

 この時と同じ規模の噴火をモデルケースにした場合の降灰の想定です。内閣府によりますと、噴火から3時間後、東京を含む首都圏で自動車が通行不可になる、視界悪化または厚さ3センチの降灰があるというのです。

 2020年に国のワーキンググループが取りまとめた報告では、首都圏におよそ4.9億立方メートルの火山灰が堆積(たいせき)すると試算されていて、鉄道や道路の通行が困難になる可能性が指摘されています。

 また、目や鼻や喉、気管支などへの健康被害や断水、停電、通信障害などのライフラインへの影響も考えられます。

 雨が降っていて3ミリ以上の降灰があると停電の可能性があり、停電エリアでは上水道が断水する可能性が生じます。