軽い気持ちで闇バイトに。受刑者が若者を使い捨てる犯罪グループの実態を語りました。
■闇バイト実態 受刑者語る
特殊詐欺で服役 受刑者(20代前半) 「県警本部の人が一度、自分が留置場にいた際に取り調べに来たが、『他にも3つ4つ似たようなグループがあるんだよね』って、そう考えると似たようなグループが3つ4つあるということは、警察が気付いていないだけでもっと他にもあるんだろうって」
インタビューに答えたのは20代前半の受刑者。10件ほどの特殊詐欺を繰り返し、懲役4年半の刑で服役しています。
受刑者 「自分は正直、こういう場所(刑務所)の方が楽。駄目なことは駄目って言われるし、良いことは良いって言われるし」
埼玉県川越市にある少年刑務所では、現在およそ800人が収容されています。
受刑者と担任教官との最後の面接が始まります。
担任教官 「被害者に対してどう謝罪だったりとか、弁償していくのかだったりとか、そこも多分大事なポイントだと思うが」
受刑者 「被害者の方には、弁済決まっている方には手紙は継続して送らせてもらってますし、弁護士の方とも手紙はやり取りしてて、今後のことについても話はしてます」
川越少年刑務所では、個別指導が必要と判断された若い受刑者には一定期間、担任教官が付き、定期的な面談や日記のやり取りなど、きめ細かい処遇がされます。受刑者はこの期間を終えました。
担任教官 「個別担任として一番評価しているのは、内面の成長が一番大きいかなと思ってて」
しかし、服役生活を続けていても再犯をしない自信がないといいます。
受刑者 「社会に戻ってまたつらい場面になって、逃げ放題の状況で自分はちゃんとやっていけるのかと考えた時に、それはやっていけないのかなって改めて感じている。自信はなくなってきてしまっている」
去年12月、自動車整備工場で刑務作業をする受刑者の姿が…。
受刑者 「(Q.これはどういう作業?)ブレーキ実習というもので、実際に実習車でブレーキのオーバーホールをして組み付ける作業」
取材当初、「刑務所での生活の方が社会より楽」と話していた受刑者。1年ほど経って…。
受刑者 「(約1年経って)今は刑務所の方がつらいかな。刑務所って嫌でも離れられないし。今、本当に色んなこと含め、今が本当に一番きついかな」
塀の中にいても、闇バイトに応募した若者による強盗事件や詐欺事件が相次いでいるという報道にも接しています。
受刑者 「現状として警察庁の人も今、色々動き出していて、石破さんがああいうふうに国会で特殊詐欺について述べるということは、本当にもう社会問題になっている。正直、遅かったくらいのレベルと思う」
そして、犯罪グループで若者を集める、いわゆるリクルーターについて…。
受刑者 「リクルーターをやる人は元々何か詐欺やって捕まったから、じゃあリクルーターやるとか、もしくは本当に普通に生活しているけどお金が欲しい、でも受け子、出し子は捕まる確率高い、じゃあリクルーターならとか。上の人が本当に飛ばしの携帯とかでリクルーターとかやっているというのもあるのかな」
最後に自らの経験も踏まえ、同世代の若者たちにこう言葉を投げ掛けました。
受刑者 「最近は闇バイトじゃなくてホワイト案件だとか、何か色々品(手法)を変え、やっているのは聞くけど、ただ何かちょっと危ないんじゃないのかなって、そこは気付くべきなのかな」