待望の雨が降ったものの、いまだ鎮圧していない岩手県大船渡市の山火事。消火の鍵を握るのは「ドラゴンハイパー・コマンドユニット」。その実力は。

■大船渡火災 いまだ鎮火せず…

 火災発生から9日目を迎えた大船渡市。日を追うごとに広がっていた煙は、6日の段階でかなり収まったようにも見えます。

 大船渡市在住のフォトグラファー・村上真さん。火災発生以降から毎日、山々を撮り続けていました。

フォトグラファー 村上真さん 「朝見た時、きのうから降っていた雨が上がって視界が晴れて、よく見えるように。一見すると普段の大船渡に近いように見える」

 今後は地上での消火活動が“鎮火”に向かうポイントとなります。

危機管理防災アドバイザー 元東京消防庁レスキュー隊 田中章氏 「鎮圧が出てから残火処理をする。まだ残っている熱源を消火水のうで、たたいて消していく」

 その鍵を握るのが地上部隊「ドラゴンハイパー・コマンドユニット」。精鋭部隊の実力が分かってきました。

■カギ握る“精鋭部隊”実力は

 東京・銀座にある岩手のアンテナショップ。大船渡産のワカメを買い、支援をしようとする人が詰め掛けていました。

大船渡産のワカメを購入した人 「何もできないけど、役に立つというか、喜んでもらえれば」

大船渡市に家族がいる人 「家族がいるんだけど、全然、連絡が取れない」

 大船渡市に実家がある女性。いてもたってもいられず来店していました。

大船渡市に家族がいる人 「皆さんの顔を見て少しは心が…」 「(ワカメを)10個」

大船渡市在住 マルカツ水産 佐々木晶生代表 「山しか見られずに、だんだん顔が暗くなってきたのを見て、こっちが心苦しい。我々が明るいことをやれば少しは元気になるというか。作業すれば火事も忘れて笑顔もあったので、良かったなと」

 鎮火へ向け、鍵となるのが精鋭部隊「ドラゴンハイパー・コマンドユニット」。

横浜市消防局 警防課 澤田匠さん 「水とか消火栓のない場所までホースで延長して大量に放水できる」

 消防車同士をホースでつなぐことで、1キロ先まで毎分8000リッターもの放水ができます。東日本大震災を機に、大規模な都市部の消火活動などを想定して結成されました。

元東京消防庁レスキュー隊 田中章氏 「山林に今、水がないので、この部隊が来たことによって大量の水が近くまで送り込めるのは消火としてはありがたい」

 大船渡市は避難指示の7日以降の一部解除を検討しています。