３月１１日で東日本大震災から１４年です。住民の避難誘導中に津波に巻き込まれて亡くなった警察官の遺族が、未来の警察官に伝えたい事です。

　宮城県角田市に住む佐藤宗男さん（７５）と妻のきみ子さん（７１）は、警察官だった長男の宗晴さん（当時３２歳）を津波で亡くしました。
　佐藤きみこさん「警察っていう仕事は大変な仕事なんですね。受かった時はうれしかったけれども」
　佐藤宗男さん「どういうふうに亡くなっていったのかなと思います。あの津波の高さから見るとね。会いたいね」

　大学卒業後に実家の木工所を８年間手伝っていた宗晴さんは、地域の安心安全を守る仕事がしたいと３０歳で警察官になりました。地震発生後、岩沼警察署から同僚とパトカーで住民の避難誘導のため沿岸部に向かい、戻ることはありませんでした。

　震災から８日後に制服姿で見つかった宗晴さんは３２歳、警察官になって、まだ１年５カ月ほどでした。
　佐藤宗男さん「残念でした本当に。これからだっていうのにね…」

　宮城県では、１４人の警察官が住民の避難誘導中に津波に巻き込まれるなどして殉職しました。
　東日本大震災から１４年、元木工職人の佐藤さんが震災を風化させないために作り始めた物があります。警察学校時代、緑化委員長だった宗晴さんは１５年前、卒業の時に中庭に桜を植え隣に木製の記念碑を建てました。刻まれているのは宗晴さんの字で、木が傷んできたため、新しい物を作ろうと決めました。
　佐藤宗男さん「息子が書いた字だから同じ字で彫りたいなと思って、早く建てたいですね」

　２月、佐藤さんは完成した記念碑を持って警察学校を訪れ、宗晴さんが植えた八重桜の隣に記念碑を建てました。
　佐藤宗男さん「息子の代わりにするとは思ってなかったけれどもね。親父ありがとうって言っていると思うんです。一度も桜を見てないから一緒にまた見に行きたいと思って」

　殉職した息子の事を忘れないでほしいと、未来の警察官に伝えたい事があります。
　佐藤宗男さん「地震になったらばすぐ退避するような感じで、うちの息子みたいにならないようにね、本当に仕事頑張ってもらいたいですね」