宮城県東松島市の震災集団移転地に、クラフトビールの醸造所が完成しました。津波で被災した畑で育てた大麦を使い、4月上旬に販売が開始されます。

 東松島市の集団移転地、野蒜ケ丘に完成したクラフトビールの醸造所大地と海のカンパネラBrewingの代表を務める大谷直也さんは、4年前に地域おこし協力隊員として神奈川県から東松島市に移住して起業し、12月に発泡酒の醸造免許を取得しました。

 大谷直也代表「東松島市というと、宮城県の人でもなかなか認知度が低い。ビールをきっかけに東松島市を訪れてもらって、実際に体験してもらって飲んでもらえるような場所になって欲しいと思ってます」

 クラフトビールの原料に使用するのは震災の津波で被災し、その後除塩して営農を再開した畑で栽培する奇跡の大麦です。

 主力商品は、麦のコクを生かしたラガービールのドルトムンダーデメテル。このほか東松島市の道の駅で限定販売する「野蒜」、「矢本」の地名を入れた2種類です。

 4月上旬の瓶入り商品の販売開始を前に仕込みの最終段階で、日々発酵状況の確認や温度管理などをしています。

 大谷直也代表「麦をしっかりダイレクトに味わっていただけるビールになりましたので、是非色々な方に飲んでいただきたいなと思っております」

 宮城県では、クラフトビールの醸造所やワイナリーが各地でオープンしています。大谷代表はその要因は、食との関わりが大きいと話します。

 大谷直也代表「一番その商品をおいしく飲むのは、この地で取れた物とお酒を食べ飲みすることが一番おいしく感じてもらえると思っています」