東日本大震災の後も事業を続けている被災地の企業のうち、3割を超える企業の売り上げが、11年経った今も震災前の水準に一度も戻っていないことが分かりました。
民間の信用調査会社、帝国データバンクの調査によりますと、2021年3月から2022年2月までに震災の影響で倒産した県内の企業は前の年より6件少ない4件で、過去11年間で最も少なくなりました。
内訳は、水産関連が2件、サービス業と小売業が各1件です。
コロナ禍の前から目立ち始めている「息切れ型」の倒産ということです。
帝国データバンク仙台支店情報統括部紺野啓二さん「グループ補助金等で一旦やめた、休業した工場を再建して震災から2、3年経ってから営業を始めて事業を再開したものの、借り入れの返済などもあり、ここにきて行き詰まり諦めてしまい倒産しているところはポツポツと出始めていると」
また、震災が起きた時点で沿岸部などに本社があった2575社を追跡調査した結果、事業を継続していたのは2月末時点で72パーセントでした。
しかし、事業を継続した企業の34.5パーセントは、売り上げが震災前の水準まで一度も戻っていません。
特に水産関連の回復の遅れが目立つということです。
帝国データバンク仙台支店情報統括部紺野啓二さん「風評被害とか販路喪失が、いまだに影響が続いている結果だと思います。ここにきてのコロナによる消費不振とか、様々な形で経営環境が悪化しているので、売り上げが回復していなくて厳しい状況に置かれている企業はまだまだあると認識しております」