宮城県気仙沼市の東日本大震災遺構・伝承館では5日、防災を身近に感じてもらおうと子どもたちに館長を体験してもらうイベントが開かれました。

 「一日こども館長」に選ばれたのは唐桑小学校2年の鈴木心寧さんと松岩小学校3年の小田英人さんの2人です。

 2人は芳賀一郎館長から渡されたたすきを身につけて来館者を出迎え、震災の爪痕が残る旧気仙沼向洋高校の校舎内を説明して回りました。

 鈴木心寧さん「床から25センチのところまでレターケースのさびが目立っていて、そこまで津波が押し寄せたのが分かります」

 案内を聞いた人「震災を経験していない年代だと思うんですけど、自分で見て説明するという部分で記憶に残るというか、後世に伝えられるのではないかと思います」

 2人は館内を精力的に動き回り、訪れた人たちに震災の被害や教訓を一生懸命伝えていました。

 鈴木心寧さん「いっぱいお客さんが来てうれしかったです」

 小田英人さん「いろいろな人たちが、震災について知ろうと思っていることがうらしかったです」

 伝承館ではこうした催しなどを通して震災を経験していない子どもたちにも防災意識を高めてほしいと話しています。

 なお、2019年3月にオープンした伝承館は、1年目のゴールデンウィークには1日あたり1500人前後、期間中の合計で1万人を超える来館者がありました。

 今年は、当時の数には及ばないものの、4日までに関東地方を中心に約3200人が訪れていて、来館者数は移動制限があった去年の1.5倍と回復しています。

 気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館の熊谷心副館長「またコロナが流行しないような形で、今後も引き続きお客様にたくさん来て頂ければなと思う」