円安が止まりません。19日も円相場は149円台で推移し150円台が目前に迫っています。円安に加え、原材料高とダブルパンチの影響を受ける企業を取材しました。
19日の円相場は18日に引き続き1ドル149円台前半を推移しました。
3月以降の下落幅は34円になり、円安に歯止めがかからない状況です。
ゴム長靴のトップメーカー、仙台市の弘進ゴム西井英正社長は「中小企業にとって大きな打撃」だと話します。
西井英正社長「うちの昨対(年比)だとこの4カ月で4億円も上がっています。月1億円からのコスト上昇になっていますね」
弘進ゴムでは製品の7割ほどを海外から輸入していて、急速に進む円安の影響をすぐには販売価格に反映できないことが会社の経営に重くのしかかっています。
西井英正社長「結局、調達価格は上がるけれども販売価格への転嫁というか適正価格への転嫁が非常に遅れて来ているので、そのギャップというのは非常に強くなってきている」
更に国内での生産にも、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した原材料価格の高騰が重くのしかかります。
西井英正社長「原材料を入れると更に重荷が増えて、原材料・電力料のアップだけで月に4000万円位になっています」
主力のゴム長靴は手作業による製造が必要で、中国の工場で生産しています。
この間、中国では新型コロナのロックダウンによる工場の停止があり、計画的な生産が難しい状況でした。
西井英正社長「複合的に全部同時発生してきているという状態になっています。そしてそこに更に為替という、日本にもう一個打撃が来ている」
政府には資金繰りといったセーフティーネットへの対策に加え、物価の上昇を給与に反映させるような大きな仕組みの施策を期待しています。
西井英正社長「この150円目前というところまできたことは、もう金利による市場のというよりもこのレベルまでくると日本という国が売られ始めているということにすごい危機感を持っています」